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kidney


腎移植の勉強

東京女子医大 移植者の会 会報(平成13年1月号)に載っていた
平成12年10月21日(土曜日)に開かれた移植勉強会のことをUPさせていただきました。
その理由としては、女子医の人たちだけではなく、他の病院の人や今から移植する人、
透析の人や一般の人にも見てもらいたいと思い載せました。
この日、東間先生と田辺先生がとても分かりやすくお話をしてくださいました。

移植の歴史

3世紀ドイツで双子の天使が戦争で傷ついた兵士の足を奴隷から取ってきて繋いだと言われている。

しかし、その当時まだ動脈と静脈を繋ぐことが出来なく不可能であったと言われている。

1950年:アレックス・カレルが世界で初めて血管を繋ぐ手術に成功。
これが、外科(移植)手術を可能にした。

これをきっかけに移植の研究がはじまった。で、今日に至る。

現状の移植と成績

移植した腎臓を植え付けると良く働くと同時に、一方では薬の毒性の副作用が問題となる。

このため、移植腎が拒絶されないように微妙なバランスが大事。

現在、サイクロスポリン・FKが主体とされてずいぶん良くなっているが、
たくさんのばい菌、最近の中で生活をしているので、感染には十分注意が必要である。

これらの理性は受け取った腎臓(ドナーの遺伝子)に働く免疫抑制剤が開発されてくることである。

あるいは、薬を使わないで科学的方法を使い、自動的に移植した腎臓が
拒絶反応を起こさなで着いてしまう方法が理想であり、それを免疫抑制剤の寛容と呼ばれている。

未来の移植

リンパ球が違う遺伝子に対して攻撃するには、もう1つ別のシグナルが必要となる。
今までは無視されてきたが、現在は高い感心があつまってきた。

シグナルをブロック(効かなく)するとリンパ球は活躍しない。
活性したしたリンパ球は補助シグナル(第2信号)が必要となり、
違うリンパ球を殺しに行くので『キラー細胞』と呼ばれている。

今、抗体を打って移植すると免疫反応が奪われなく自然に着いてしまう。
そのような現象が出ないか研究中である。

異種移植の話

猿→人、豚→人への異種移植は、ドナー不足の現状では動物の死から
腎臓をもらい移植することが行われているが、成績が悪く、最長71日しか生きられない。

患者の皆さんが平等に移植を受けれるには多くのドナーの腎臓が必要になる。

それで異種移植は魅力あるが、異種移植による拒絶反応は人と違い
移植腎がまったく違った特急性拒絶反応となり、1~2分で血の海となる。

その原因としてアールファギャルという抗体があることが解ってきた。

進化の過程で枝分かれした人・猿には抗体はなく近縁であるが、ドナーとして使うには
倫理的問題が多いので移植の対象にはならない。

今は、人の腎臓に良く似た豚がターゲットになっている。豚の腎臓は大きさも
人と同じくらいで、働きも良く似ている。

が、豚にも拒絶反応を強く起こすアールファギャルがあり、ただ今研究中。

今、最も注目をあびているのが、肝臓の元の細胞を取り出して培養すること。

また、人の遺伝子操作を加えることで傷ついた組織を再生させる。
これは心臓でも行われる。

腎臓も1種のホルモンを取り出し、傷ついた腎臓の組織に入れてやると
元気になるということがわかってきている。

近いうちに遺伝子を融合させて全く違った豚の腎臓を作るといったことが可能となる。

最終的には人工腎臓をつくることで本当の腎臓を入れることもなくなり、
新しく作った腎臓を移植する時代もくるかもしれない。

また、いったん移植したら拒絶反応のない腎臓にしたい。
これが、当分の課題である。

腎移植の進歩と課題

腎移植の成績は年々良くなってきているが、まだ満足する数字ではない。
今後、いかに移植腎を長持ちさせるかは、免疫抑制剤の進歩だけでなく
技術のケアをきちんとすることが大切。

生体腎移植の成績(女子医、全体の成績)

生着率:(サイクロスポリンを使用し始めてからの集計)

移植腎を損失する原因

慢性拒絶反応によるもの

不完全な治療
治療が不完全なため知らない間に慢性拒絶になっている
これは腎生検で確認しながら完全な治療を行う。
不十分な免疫抑制
免疫抑制剤の量が少なく免疫抑制が不十分の状態。
定期検診を受けて血中濃度をチェックすることが大事。
高血圧・高脂血症
高血圧は動脈硬化の原因となり腎機能を悪化させる。また、高脂血症は、
長期的に見て、移植腎の生着率を悪化させる。
毎日血圧チェック。高脂血症の予防を心がける。
内服の忘れ
何日立っても薬を飲まなければ拒絶反応が起きる。
医師の指示に従い正しく服用しましょう。勝手に薬の量を変えたり止めたりしないこと。

腎炎再発によるもの

自分の原疾患(IgA腎症・FGS・RPGN等)があるが、最近では薬や治療などで
うまくコントロールできるようになってきているので早期発見が必要である。
(FGS=巣状糸球体硬化症 RPGN=急速進行性糸球体腎炎)

プロトコル腎生検や24時間畜尿でタンパクチェックを行うことで発見できる。

死亡

癌の発生率は免疫抑制剤を飲んでる関係上、普通の人の5倍以上と
言われている。これは定期的に成人病検査を受けて早期発見を心がける。
特に40歳を過ぎたら成人病検査は重要。早期発見されれば治療率も良い。
動脈硬化
心血管・心筋梗塞・脳溢血など長期に透析をした人、糖尿病がある人は特に、
動脈硬化が進んでいる可能性が高いのでより注意が必要。
高血圧・高脂血症で予防する。

急性拒絶反応によるもの

急性拒絶は、術後数ヶ月以内にほとんどが発生するが、血中クレアチニンの
値が変動しないにも関わらず、拒絶が始まっている場合がある。

これを放っておくと半年・1年後に大きな拒絶が反応に発展する可能性がある。
プロトコル腎生検で発見する意外方法はなし。

高血圧予防

血圧のガイドライン

(高齢者の場合はもうちょっと高くても良い。)をコントロールする。

高血圧予防は、薄味で太らない食事と禁煙が大事である。

移植患者は長期の透析によって進んだ動脈硬化が原因になる。
この場合は降圧剤で血圧コントロールする。
最近は腎臓に優しい良い薬があるので、主治医とよく相談してコントロールすることが大切である。

高脂血症の予防

高中性脂肪は長期的な移植腎の生着率を悪化させる。
また、高コレステロールは死亡率が高くなる。
予防の基本は食事である。
低脂肪・適正カロリーを心がける。場合によっては服用でコントロールする。

プロトコル腎生検の意義

クレアチニンはまったく変化が無いのに拒絶反応が起こっている場合もある。
このような拒絶反応は腎生検でしか発見できない。

急性拒絶の治療のあと、血中クレアチニンが安定しても半年~1年後に大きな拒絶になることもある。
何も無くても、数ヶ月から1年以内に腎生検を行い拒絶反応が無いことを確認しておきたい。

移植後の運動

経過時期・透析時間・腎性骨症の程度、使用したステロイドの量、腎機能など個別に考える必要がある。目安としては、

経過

クレアチニン

普通の運動でも以下のような運動は控える。

移植腎を長持ちさせるには